2014年6月21日「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」Rd.1
イベントレポート
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サーキット初心者でも気軽に参加でき、国内トップドライバーから懇切丁寧なアドバイスを受けられることで大好評な「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」。このイベントを主催するワークスチューニンググループとは、TRD(トヨタ)、STI(スバル)、無限(ホンダ)、NISMO(ニッサン)のメーカー系ワークス4社からなるグループだ。ワークスといえば、レース会場では4社はライバルでもあり、一般のファンには敷居の高いイメージがある。共同でイベントを開催することが意外に思われるかもしれない。しかし、それは戦いのステージ上でのこと。戦いの場から一歩外に出れば、カスタマイズやスポーツドライビングの楽しさを啓蒙といった活動においては仲間なのだ。各ワークスは、カスタマイズ対象とする車種などは明確に異なるため、ライバルとはなりえない。むしろ、お互いが積極的に情報交換やイベントを通した啓蒙活動などを行なうことで、より広いお客様にクルマの楽しさと正しい情報を伝えることができるのだ。
そんなワークスチューニンググループの活動の一環である「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」は、スポーツドライビングを楽しんでみたいお客様、あるいはすでにサーキット走行を楽しんでいるお客様にも満足いただけるような内容で開催されている。講師は、もちろん各ワークスから選出された国内屈指のトップドライバーたち。当日はレースではないため、各ドライバーたちもリラックスして参加者との対話を楽しんでいるのも特徴だ。一方、クルマのメンテナンスやカスタマイズについても各ワークスのエンジニアが参加しているので適格なアドバイスを受けることもできる。毎回100台以上のエントリーがあり、大人気のイベントとして成長している。
2014年6月21日、今シーズン初となる「ワークスチューニンググループ サーキットデイRd.1」が筑波サーキット・コース1000で開催された。
【注目の豪華講師陣】
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今回は、TRDからはスーパーGTで活躍する平手晃平選手と国本雄資選手、STIからはWRCでも活躍した新井敏弘選手、無限からはスーパーGTで活躍する武藤英紀選手、そしてNISMOからスーパーGTで活躍する松田次生選手と藤井誠暢選手の総勢6人のトップドライバーがあたった。これだけの豪華講師陣から直接ドライビングテクニックのレクチャーを受けられる機会は、この「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」しかないだろう。
【エントリーは144台】
今回、筑波サーキット・コース1000で行なうドライビングスクールとしては上限とも思える144台の定員設定。その定員いっぱいの144台の申し込みがあった。クラスは3つ。まずは各クラスの概要をお伝えしよう。
1.チャレンジクラス(60台)
過去のタイム、走行経験、車種、装着タイヤ等を考慮して今回は5つのグループに分けた。走行は15分のフリー走行を3本実施。走行の合間にはプロドライバーによる講習や同乗走行(応募者多数の場合は抽選)も行なわれる。
2.ベーシッククラス(24台)
過去のタイム、走行経験、車種、装着タイヤ等を考慮して今回は2つのグループに分けて実施。走行は15分のフリー走行を2本実施。走行の合間にはプロドライバーによる講習や同乗走行(応募者多数の場合は抽選)はチャレンジクラスと同じだ。
3.エンジョイクラス(60台)
初心者・サーキット走行初級者歓迎の入門者向けとして人気のクラス。過去のタイム、走行経験、車種、装着タイヤ等を考慮して今回は5つのグループ分けを実施。走行は15分のフリー走行を1本だが、走行前には他のクラス同様にプロドライバーによる講習や走行後には同乗走行(応募者多数の場合は抽選)を行なわれる。
各クラス、1グループ12台を上限としているので、コース上には基本的に12台が入ることになる。この12台に加えプロドライバーの乗る各ワークスのデモカーが同乗走行で走っているので、ライン取りやブレーキングポイントなどを学ぶ絶好のチャンスとなっている。
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今回、各クラスを担当した講師は、チャレンジクラスが武藤選手(3グループ)と平手選手(2グループ)、ベーシッククラスは新井選手(2グループ)、エンジョイクラスを松田選手(5グループ)が担当した。各講師は、自分の受け持つクラスが走行している間はコースサイドから受講生たちの走りを1台づつチェック、走行後に的確なアドバイスを行なっていた。一方、藤井選手と国本選手は、同乗走行と先導車を担当し多忙な1日を過ごしていた。
【2014年注目の新コンテンツ】
「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」は今シーズンからプレミア同乗走行とドライバーピットウォーク、キッズ撮影会という新たなコンテンツを追加した。
1.プレミア同乗走行(抽選)
通常の同乗走行は、ストレート1本のみだが、プレミア同乗走行は15分の走行枠を一人占めできる新企画。15分間、みっちりとトップドライバーの走りとレクチャーを受けられるまたとない企画。
チャレンジクラス 坂本 崇史さん
フェアレディZロードスター(Z33型)でチャレンジクラスに参加した坂本さんは、サーキット走行の経験がそれほど多くないという。そこで、藤井選手の操るファレディZ(Z34型)に同乗。まずはサーキットのライン取りや基本的な走り方のアドバイスをもらった。同乗走行後の走行では3秒~4秒近もタイムアップして、ご自分でもびっくり。
チャレンジクラス 刈田 真人さん
シビック(FD2型)で参加した刈田さん。プレミア同乗走行では武藤選手の脇に乗った。同乗走行前には、武藤選手も刈田さんの走りをチェックしており、当日はアンダーステアが強かったようでサスペンションのセッティングについて様々なアドバイスをもらったそうだ。残念ながら、ご自分の走行枠が終了後の同乗走行だったので、その成果は次回サーキット走行のお楽しみということだ。
2.ドライバーパドックウォーク
通常のレースイベントでは、観戦者がドライバーのいるピットを歩いて楽しむのがピットウォーク。しかし、「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」では、ドライバーが参加者のいるパドックをウォーキングするというまったくの逆パターン。もちろんドライバーは記念撮影やサインに気軽に応じてくれるので、国内屈指のトップドライバーとの距離がグーンと近くなることは間違いなし。憧れのドライバーと愛車の前で記念撮影はもちろん、インスタントカメラで撮影した写真にその場でサインをもらうというサービスも実施。また、速く走るための工夫を凝らしたマシンを見つけるとすぐにオーナーを交えたクルマ談義が始まり、ドライバーも楽しい時間を過ごせたようだ。
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3.キッズ撮影会
当日の講師陣全員とキッズの記念撮影をコース上で行なう新企画。こちらもインスタントカメラで撮影した写真がその場でプレゼントされ、その写真にその場でドライバーにサインが貰えるという特典付き。この中から将来の日本を代表するトップドライバーが何人生まれるか、今から楽しみだ。
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さて、コース上でのデモカーエキシビジョンレースと同伴者同乗走行イベントが終了すると、いよいよ「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」最後はお楽しみのジャンケン大会。各社から持ち込まれた豪華賞品をGETできるかは、ジャンケンの強さにかかっている。
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憧れのトップドライバーと1日中、中身の濃いレッスンを受けられるこのイベント。次回は7月5日の愛知県美浜サーキット。関東圏以外では初の開催となる。
今シーズンの「ワークスチューニンググループ サーキットデイ」は全3回の開催。
Rd2 7月 5日(土) 美浜サーキット(愛知県知多郡) 募集台数 100台
Rd3 9月20日(土)富士スピードウェイ ショートコース 募集台数 132台
となっている。
サーキット走行をしてみたい。あるいはドライビングテクニックの向上で悩んでいるなら、ぜひ、参加してみて欲しい。
追加フォト
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万一、マシンにトラブルが発生した場合でも、経験豊富なメカニックが応急処置を行うサービスも実施。
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各社デモカーによる恒例のエキシビジョンレース。
毎回ワークスの威信をかけたツバ競り合いが繰り広げられる。
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サーキットデイならではと言える同乗走行は毎回100名以上が体験。
さらに同伴者や見学者も抽選で同乗体験が可能となっている。