2013 ワークスチューニンググループ サーキットデイRd1
2013年6月29日、快晴の筑波サーキット・コース1000において、STI(スバルテクニカインターナショナル株式会社)、無限(株式会社M-TEC)、TRD(トヨタテクノクラフト株式会社)、NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社)のワークスチューニンググループ4社による今年初のサーキットイベント「ワークスチューニンググループ サーキットデイ Rd.1」が開催された。
このイベントは、お客様とともに「楽しくサーキットを走る」をテーマに初心者からベテランまで、老若男女問わずすべてのドライバーにクルマを操る楽しさやその奥深さを少しでも理解してもらうこと」を目的に開催されている。既に過去3回開催し、参加された皆様からはリーズナブルな参加費と充実した内容と、毎回好評を頂いているサーキットイベントである。そして今年初となる4回目のこのイベントからNISMOも参加、これにより日産車オーナーも参加可能となり、より多くの皆さまに「ワークスチューニング・サーキットデイ」を楽しんでいただく事が可能になった。
このサーキットイベント最大の特徴は、ワークスチューニンググループならではの豪華な講師陣による座学や同乗走行などの実技指導が受けられること。そしてリーズナブルな参加費と十分な走行時間が確保されている点だ。実際にステアリングを握る参加者の皆さんにはサーキット走行を楽しむための充実したカリキュラムが用意され、更に同伴の家族や友人なども一緒に楽しめるイベントやコンテンツが充実していることも大きな魅力となっている。
4回目となる今イベントでは過去最高となる140台が参加、それを迎える講師陣は、STIから山野哲也、無限から武藤英紀、TRDは荒聖治、そしてNISMOから松田次生の各選手。いずれも今季スーパーGTで活躍するトップドライバーが、文字通り手取り足取り、ドライビングをレクチャーしてくれる。
サーキットデイのカリキュラムの一部をご紹介するとまず、参加者の過去のサーキット走行の経験によって3つのクラスが設定され、チャレンジクラスは15分のフリー走行×3回の走行枠に講師による「より速く走るため」に特化した講習と走行評価が行なわれる、サーキット走行経験豊富な人のクラス。そしてベーシッククラスは15分のフリー走行×2回の走行枠に「安全に速く走るため」の講習と走行評価が行なわれる。ともに走行評価は、各講師がコースサイドから参加者1人1人の走りをチェックし、最後の走行枠向けにドラインビングのテーマを与えてくれる。
そしてサーキット走行の経験がほとんど無い方向けに設置されているのがエンジョイクラス。講師による「安全に気持ちよく走るため」の講座と15分のフリー走行枠1本で構成されている。走行および講習が午後に設定されていることもあり、参加受付も他のクラスよりは遅めの10:30分から。更に参加料も3000円というリーズナブルな価格設定で、これからサーキット走行をはじめてみたい、体験してみたいという初心者にはとっては心強いクラスとなっている。
今回、エンジョイクラスにエントリーした群馬県からお越しの金内サン(35歳)。6年ぶりのサーキット走行ということで、リハビリ兼ねての参加。「インストラクターからはブレーキングが課題として出されました。エンジョイクラスのお手軽な価格も魅力ですね」
インプレッサで参加の上田サン(26歳)。去年サーキットデビューして、今回が4回目のサーキット。「山野選手と話しができてよかったです。担当していただいた武藤選手からは走行ラインについてのアドバイスをもらいました。同乗走行しましたがプロはスゴイです!次回も参加します」
黄色のS2000で参加の小野サン(47歳)。パドックでの立ち居振る舞いにも手馴れた感じがあったが、年間10回程度はサーキットに通っているというベテラン。「今回の目標は41秒台。目標達成で楽しめた」とのこと。
白いハチロクで参加の今堀サン(39歳)。「サーキット走行は多いわけではない」と言いつつ年間4回程度は走っているそう。本日の課題はブレーキングだったそうで、これを重点的に意識しながら走ったとのこと。
S15シルビアで参加の福田サン(24歳)。「山野サンから、コーナーのスピードを速くしすぎているとアドバイスを受けました。ラインも修正して2秒近くタイムアップしました!次回も参加します!!」
今回、チャレンジクラスの参加は60台、これを5つのグループに分け、山野哲也(STI)と松田次生(NISMO)が担当、ベーシッククラスは24台の参加で2グループに分け武藤英紀(無限)が、そしてエンジョイクラスは60台を5グループに分け荒聖治(TRD)が担当し、3つのクラスを4人の講師陣が受け持つ万全の体制となっていた。
また、講師陣がドライブするデモカーへの同乗走行も参加者の楽しみのひとつ。プロのテクニックを目の当たりにする良いチャンスでもあり、今回は140名の参加で同乗走行ができた人数はなんと120名という驚きの結果。これに加え更に抽選で12名の同伴者が同乗走行を体験したそう。講師陣にとってはとても大変なイベントであることは容易に想像できるが、4名の講師陣全員は意に介さず常に笑顔で対応している姿が印象的であった。サーキットでのピリピリとした雰囲気とはまた違う、リラックスした講師陣に気軽に質問出来たり、記念撮影やサインをもらったりと参加者特権をフルに活用してみるのもよい思い出となりそうだ。
一方、第1回から継続して展開しているワークスチューニンググループサーキットデイならではのコンテンツのひとつである、お子様向けキッズコーナーには、常にゲームや塗り絵で遊ぶ子供たちの明るい声であふれている盛況ぶりで、常駐する専任スタッフも大忙しの様子。また、気温上昇を考慮してキッズコーナー専用のスポットクーラーも用意され、快適な空間を維持しているようである。更に昼食用のフードサービスの出展もありがたいサービス。この日は、筑波サーキットを代表するグルメとなった感のある名物チャーシュー丼が参加者のお腹を満たしたようである。
また、各社からはデモカーとともにテクニカルスタッフも来場。サーキット走行をする上では欠かせないチューニングパーツの展示と、注目のデモカーを展示。デモカーは「見て、触って、座る」こともでき、その場でスタッフに質問をすることも可能だった。愛車のカスタマイズや、セットアップなど、クルマに関するアドバイスを受けられることもこのイベントならではのメリットとなっている。
そして、各社が用意したデモカーを講師陣がドライブする模擬レースは各社とドライバーの威信を掛けたガチンコレースとなり、その白熱したレース展開にスタッフまでもが見入ってしまう一幕も。そしてイベント最後の締めくくりは、参加者および同伴者全員が参加可能な豪華賞品争奪じゃんけん大会。講師相手の勝抜き戦で今回の目玉賞品は高価な腕時計。その他にもスポーツタオルやTシャツ、グッズなど盛りたくさんの商品が用意され、中には複数の賞品をゲットしたつわものも見受けられ、走って楽しみ、同乗走行で感激し、デモカーによるガチンコレースで感動、最後に豪華商品をゲットしての大いに楽しんだ1日であった。
次回開催は、2013年9月21日(土)の富士スピードウェイ・ショートコース。スポーティーカーでなくても参加はOK。ただし長袖、長ズボン、そしてヘルメットとグローブがあれば誰でも参加可能となっている。今回参加した方はもちろん、「サーキットを一度は愛車で走ってみたい」という初心者も大歓迎。特にエンジョイクラスは、サーキット走行には欠かせないヘルメットやグローグのレンタルも可能なので、高価な装備品を自前で用意することなく、長袖シャツに長ズボンさえあれば気軽に参加が可能となっている。ペースカー先導のサーキット体験走行では物足りないけど、サーキット走行会はチョット敷居が高くてどうも・・・というあなたにピッタリのイベントであることを保証します。次回は是非チャレンジしてみてくだい。
(レポート 竹内俊介)